Kさんの開発研修

Kさんの開発研修の相談を受けた。昨日が中間発表だっ
たみたいだが、かなりいろいろと言われたみたいだ。


まぁ、Kiさんに1週間前に修正を迫られたり、そもそも
所属部署の方針が全然見えないなどはあるにしても、
やっぱり日ごろから問題意識や好奇心をもって仕事に
取り組んでいるかというのはこういうところに出るん
だなぁ、と思った。


結局、商品企画を2件上げます、通信技術について調べ
ます、商品Nの回路を改善します、みたいな内容になっ
てしまっていた。それに対して、Yさんからはどれも革
新性がない、Tさんからは技術なのになんで企画みたい
なことをやるんだ、Kiさんからはお客さんの声を聞いて
そこからオリジナリティのある解釈をするんだ、みた
いなことを三者三様に言われたという。


まぁ、革新性のあることを出せない人が革新性を出せ
、なんていうのも筋違いな気がするし、お客さんの声
を聞いてオリジナリティを出したこともないような人
がオリジナリティを出せ、なんていっているのもおか
しな話だ。でも、それは置いといて、彼らを納得させ
るような持って生き方をしないことにはサラリーマン
Kさんの未来はないといっていい。いくらこれをやる
ことが正しい、と主張したところで、それを評価する
側がそういう認識でいなかったらそもそもそれをやっ
ても仕方がない。


というわけで、実際に取り組むKさんが何をやりたい
か、そして評価するYさん、Tさん、Kiさんが何を求め
ているかを整理しなおした。本当はそんなもんではな
く、お客さんに焦点を当てなければ何の意味もなさな
いのだが仕方がない。


で、Kさんとしてはやっぱり自分が直接携わっていて
よくわかっている商品Nの改善に取り組みたいという
。でも、問題はKiさんも「そんなことは誰でもでき
るような内容だろう」と思っており、YさんとTさん
は「それのどこに事業としての革新性があるんだ」
というような認識だった。また、Kiさんは「お客さ
んの声を聞くんだ〜」ということを言っていたので
それも無視はできない。


まぁ、プレゼンを聞いてくれる人がたくさんいる
のはいいことなのだが、それぞれに違った要望を出さ
れるというのはまた困りものだ。


というわけで持って行き方としては、とにかく商品Nの
改善に「意味があること」と「難しいこと」というの
を認識してもらう必要がある。


まず、「意味がある」ということについては、現状品
でも製品を出す予定にはなっているが、他社もこの
カテゴリーを狙っている。そのときにこの改善ができ
ていれば他社に対して必ず差別化ポイントになる。ま
たそれが実現できれば、K社パテントを利用しての製
品だが、K社に対してパテントのロイヤリティを下げ
させることも可能になる。そうなれば、B2BからB2C
へと移行した際にこれだけの付加価値が生まれる、と
いえれば、事業的意味を見出せる。また、同様な製品
の仕様と比較することで、いかに今の製品の技術が難
しく実現しがたいことかというのを示す。結局、比較
するものがなければ難しさなんていうのは伝わらない
。そして最後に、ここの改善は、想定されるユーザー
の声を聞いても重要なポイントといえる、というよう
な持っていきたかたをすれば誰の面子もつぶすことな
く、研修の成果は出せると思う。


という説明をKさんにしたら納得してくれた。そもそ
も僕がKさんに言うことでもないと思うのだが。でも、
そんな上司の顔を見ながら作った企画資料なんていう
のは面白くもなんともない。でも、そうしないと評価
してもらえない、というところがやはり大企業衰退の
原因の一つなんだろうなぁ、と思う。