苦言を呈する

Nさんと話していたのだが、人間っていうのはやっぱり
権力を握ってしまうと、イエスマンだけをそばに置いて
おこうとすると思う。でも、そのときに自分に対して苦
言を呈してくれる人を敢えておけるかどうかが、リーダ
ーとしてチームをまとめていくためには絶対に必要なこ
とだろう。でも、なかなかそれができないというのが、
実情ではないだろうか。なぜならば、権力を握ってしま
えば自分で選ぶことができるからだ。選ぶことができな
ければその中でどうにかしようと頭を使うものの、選択
権があればやっぱりいっしょにいて心地よい人を選んで
しまうと思う。


さて、ここで難しいのが、以下のトレードオフだ。
・苦言を呈する - 嫌い
イエスマン - 価値観共有
自分では価値観を共有している人を集めたつもりが、
ただにたんにイエスマンを集めているにすぎなかった
り、嫌いな人を遠ざけたら苦言を呈する人がいなくな
ってしまった、なんていうことがおきることだ。一方
で苦言を呈してくれると思っていても、たんに価値観
が異なっていただけ、なんていうことはある。要はそ
ういう意味で人をみないといけない。


でも、僕自身が思うに根本はビジョンを共有している
かどうかだと思う。松井証券松井道夫さんに言わせ
ればそれこそ「この指とまれ」だろう。その後に、そ
れぞれ個々人が持つ強みと役割があるはずだ。たぶん
「苦言を呈する」というのも、自分が突っ走りそうな
ときに止めてくれる、という役目であり、慎重に物事
を考えられるというその人の強みなんだと思う。また
、自分がモノゴトを決め付ける傾向にあるならば、
こういう見方もあるよ、という多様な見方を提示して
もらうという役目であり、視点を変えてものごとを見
られるというその人の強みにつながるんだと思う。


そういう意味ではビジョンは共有していても、自分
とタイプが異なる人をパートナーとしてもつべきなん
だろう。よくいわれることだがこういうことなんだと
思う。


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