研究テーマの出口

もう10年以上やっている研究テーマがある。今はだい
ぶ規模を縮小ささられてしまったが、それでも、Mさん
が1人でやっている。その技術がようやく「いけそうだ
」という感触が出てきた。


ところが...、そこまでやっておきながら、事業化はう
ちの会社では難しいから、親会社に行ってそっちでで
きないか聞いてこい、なんていう指示が出て、それで
親会社から話を聞いてきたようだった。


それにしても、せっかく人・カネ・時間をかけてよう
やくそこまで成果を出したのになぜそれをみすみす親
会社にもっていくのだろう? Mさんの主張としては、
B2Bは親会社で、B2Cは自分たちでみたいなことを言っ
たのだが、親会社にしたって、規模として大きなB2C
は自分たちでやります、なんていうのは虫がいい話に
しか思えないのではないだろうか。


それと、そもそもチャネル自体を自社がもっていない
以上、わざわざB2Bを親会社が、B2Cを自社が、という
必要性がまったくない。B2C商品の開発や製造ノウハ
ウがうちにあるからといっても、もはやコモディティ
となっている分野のものづくりにおいてそこは差別化
のキーファクタとはなりえない。


っていうか、テーマ立ち上げ時に、「仮に理想的にそ
れが成功したときにどうするか?」というのはあるべ
きだろう。要は、それをやる事業母体があること、仮
にないのであれば新事業としてやっているだけのポテ
ンシャルがあること、それが求められる。


しかし、もしできたとしても事業部がやるかどうかは
わかりません、なんて言っているものは、たぶんでき
てもやらないだろう。


それと、もしターゲットとしている事業部がやらなか
ったときに他にもっていく、なんていうことを言うが
、現実手段してはあったとしてもやっぱり組織として
はおかしいと思う。


そうなると、つまりはコンセプト時にそれが面白いか
どうかっていうのはある程度決まってくる。もちろん
実際にモノが出来て実感してみて初めて評価されるも
のっていうのもあるが、そういうものでない限り、コ
ンセプト時点で受け入れ先に魅力を感じてもらえない
というのは問題だ。


それと、事業部の判断っていうものも情けない。Oさん
なんかは「売れるならなんでもやるよ」といっている
。でも、そもそも世の中にない商品なんか、数字遊び
はできるが実際のところ売れるかどうかなんてわから
ない。それと、「なんでもやる」っていうのは「結局
何もない」に等しいと思う。要は自分たちの強みが何
かを理解していれば何をやるべきで何をやるべきでな
いというのが自ずと出てくるはずだ。特に重要なのは
「それは儲かると思うけど、うちでやるべきことじゃ
ない」という判断が出来るかどうかだと思う。やはり
それがない事業部は組織として弱いと思う。


ちょっと話が脱線したが、面白いコンセプトで取り組
んで、そこそこのものが出てきたのにも関わらず、や
っぱりうちで事業にできるところはないよ、かといっ
ベンチャーも厳しいし、なんていうならば、なんで
そんなことをやっているの?ということにならないだ
ろうか。そういうテーマでもやるというのであれば、
ライセンスや特許売買の道筋なんかも検討し、そうい
う儲けかたでもスタンスとしてOKというのを示すべき
だろう。