Dさんとの飲み

久しぶりにDさんと飲みにいった。Dさんは、言いたい
ことを素直に言える数少ない役職者だ。いろんな話を
したがダイジェストはこんなところだろうか。


・守りの経営
コストを徹底的に下げるという点がまだまだできてい
ない。やっぱりこれを極めるのが大切といっていた。
でも、これには今もあまり納得がいっていない。もち
ろんコストを下げることは大切なのだが、じゃーそれ
で本当に利益が出るのか、またはシェアが増えるのか
、という点についてはかなり疑問がある。規模の経済
が働きにくい商品なんていうのは、必ずしもコスト競
争力だけが購買の基準ではないと思う。これが、テレ
ビとかデジカメとかを作るというのであればトヨタ
んを見習いましょう、というのは正しいと思う。でも
、果たしてうちのとってここがクリティカルなポイン
トだろうか。一方で、将来的にファブレスになるかも
、なんていう話もあったがこれも現実的ではない。フ
ァブレスにするのであれば、既存の雇用をどうするか
という問題の解決が必要なのと、ファブレスにすると
いうのはそれこそ企画力で勝負する、ということにな
る。それだけの企画力があるのか、またその余地が市
場にあるのか、というのを問わないといけない。玩具
市場でファブレスになるのと、魔法瓶市場でファブレ
スになるのとではまったく次元が異なると思う。


M&A
攻めの経営の話として、ある会社の買収案を話してく
れた。でも、これもあまり納得はいかなかった。要は
その会社を買った際のシナジーが見えなかった。自動
車業界でいえば、うちは四輪者、A社は二輪車、これ
で売上げ拡大だ、といっているようなもんだった。そ
の会社を買うことで、技術が買える、チャネルが買え
る、規模の経済(部品共通化)でコストダウンが計れる
、自社のノウハウの注入が可能、などのシナジー効果
のシナリオがなければただのそれこそM&Aをやったと
ころで中小企業お寄せ集めになるのが落ちだろう。


・Sさんの話
SさんはもともとDさんの部下だった。Sさんが腐って
しまったのはやっぱりDさんに責任があると思う。そ
れを言うのが正しいかどうかはわからなかったが、D
さんにそれを言ったところ、Dさんはそれを認めてく
れた。だからといって、Sさんの失われた時間が帰っ
てくるわけではないが。


・事業部で泥にまみれる
Dさんは事業部で泥にまみれることの重要性を説いて
くれた。でも、それを自分で言うのもなんか違うよ
うな気がする。大企業の研究所から見ればそれこそ
泥にまみれているが、所詮は大企業のサラリーマン
である。アントレプレナーの視点から見れば、泥ん
こ遊びしているようにしか見えないと思う。要はど
の視点で見るかということだろう。


・上の人の研修
帰り際に事業部長予備軍の人たちが受ける研修の資
料を見せてくれた。そしたら、ハーバードのケース
とIMDのケースだった。ちょうどこの前、HBRを読ん
でいて買ってみようかなと思っていたのだが、こう
いう大企業の幹部クラスの研修で使われているとい
うことがわかった。どうせだったら英語でやればい
いのにと思う。それこそいいプレッシャーなのに。
グローバル化を標榜している会社が聞いてあきれる