10%ルール

Googleの20%ルールや、3Mの15%ルールに習って、自分
たちの会社でも10%ルールなるものができた。実質的
にはまだまだ何もできていない、というのが現状だ。


これができた背景としては、かなり研究テーマを厳し
く管理するようになったということがある。要はそう
したstructuredな世界だけではイノベーティブなもの
は生まれないということがわかっているからこそ、わ
ざとこうしたchaosな世界になるような仕掛けを作っ
たといえる。


ただ、仕組みを作っただけではやはり機能せず、きち
んとその背景や実際の使い方を説明し、小さな成功事
例を作ることが求められるだろう。


今の状況は半強制的にその10%ルールのテーマを作ら
せるのはいいのだが、研究室のグループ長がポイント
稼ぎのためにメンバーに登録を促している、という感
もある。また、もはや50歳近くの人間が既にあるテー
マの半ば延長線上のようなテーマをあげているのだが
そうしたものはやはり趣旨としては異なるだろう。そ
れを明示しないと、結局何も機能しないまま終わって
しまうと思う。


Nさんが言っていたことなのだが、例えば年齢制限を
設けることなんかは1つのうまい活用法だと思う。う
ちみたいな年功序列の会社だからこそ、若いメンバー
が上司の承認なしに自由にできるもの、というような
コンセプトで活用すればいいと思う。ある程度権限の
あるような人間はそれこそ自分たちで提案して仕事と
してやればいいだけの話なのだから。若い人がこうい
う場で経験を積んで、失敗して、それを将来のテーマ
アップに活かせばいいし、さらにはそこから面白い
ものが見つかればそれこそもうけものだと思う。


でも、一方でそういうカルチャーが根付くのには時間
がかかる。どちらかといえば、うちの会社はSさんも
言っていたように、システマチックな管理の中で、
アングラでやっていたものが後の成果につながってい
ったりしているカルチャーがある。Sさんはそういう
ものこそ奨励していた。本来であれば、そういうと
ころに価値を見出せるような人間を増やし、もっとい
えば、アングラをもっとやりやすくできるようなカル
チャーになっていけば自ずとそういうものが10%ルー
ルなんだね、というふうになるような気がする。だか
ら、10%ルールという仕組みが先に来るんではなく、
「こんなふうな取り組み」という実態があり、それ
に名前をつけてみるとそれが10%ルールだった、とい
うほうが正しいと思う。


そういうふうに考えると、Nさんがいうまずはカルチ
ャーから、というのは納得がいく。