会議に呼ばない

いよいよSさんのテーマが危うくなってきた。ここ数日
ミーティングルームで今後の方向性を必死に議論して
いる。一方で、Sさんには2.5名の部下がいるが彼らは
まったくといっていいほどその議論には参加できない
でいる。


部下のGさんが「僕も会議に出ましょうか」と言ったと
ころ、「キミらにはキミらのやるべきことがあるだろ
。それをきちんとやってくれ。」というのがSさんが言
っていることだ。Gさんはそれ以上食い下がらなかった
。たしかにSさんの言い分はもっともなのだが、でも、
別にGさんが仕事に支障を来たさないのであれば別に参
加させてあげればいいと思う。でも、それをさせない
のはSさんに自信がないからだ。


自分のやっていることに自信を持ち、それを信じてい
るのであれば、えらい人が出てくる会議だろうが、堂々
と部下を連れていけばいい。そこで普段から言っている
ことを言えばいいだけだ。別に相手が否定してこようが
何しようが別に関係ない。


でも、今のSさんには会議で誰かに何かを言われたとき
にそれを跳ね返すものがない。要は、同じことを部下
に言われたときにも部下を納得させるだけのものがな
いのだ。だから、会議に出て部下が自分たちの仕事の
問題点に気付いてしまうことを恐れているのだと思う。


果たしてそうやってごまかすのが正しいのだろうか。
僕自身は正しいとは思わないが、いざ自分がその立場
に立ったときに自分が正しく振舞えるかといえば、自
信はない。


それでも、会議に部下を呼ぶということは重要だと思
う。元トリンプの吉越浩一郎氏も本の中で書いていた
が、会議に参加するだけでも意思決定プロセスに自分
が関われたということで、それだけ仕事にモチベーシ
ョン高く取り組めるような効果があるのだ。


また、それに関連して今のSさんの状態を言えば、Gさ
んの自分の裁量範囲とは関係のないところで仕事がな
くなるかもしれない、という状況で、Gさんは自分の
仕事に集中なんかできないと思う。そうであるならば
役に立つかどうかは別として真の問題にいっしょに取
り組む機会を与えるほうがよっぽどいいことだと思う