パテントプロジェクト

とある製品のパテントプロジェクトが行われた。予想
通りというような内容だった。


(1) 事業部のやる気
事業部の人間で集合時間にきちんと揃っていた人が皆
無。さらには最後まで参加せず、途中で抜け出す人が
4名近く。結局、誰が主体者なの?という感じだ。主
体者は自分たちであり、そのアイデア出しを研究所に
お願いしているのではないだろうか。そんな状態だか
らアイデアが出てきても、それを切り分ける人もいな
ければ判断する人もいない。だから、知財部の人間が
それを取り仕切ったりしてしまうのだ。情けない。や
るならやるで誰が責任者なのか意思決定者なのかを明
らかにしてやるべきだ。
少なくとも僕自身はそんなふうになりたくない。言い
出しといて自分はやらない、ということもしたくない
。だから1人アイデア20件のノルマだったが58件考えて
きた。それでもまだ足りないくらいだ。でも、こうい
うスタンスで取り組まなければいざ自分がやろうとと
いったときに誰も本気になってくれないと思う。


(2) ブレスト
ブレストをやるといいながらもまったくブレストには
なっていない。とりあえず、みんな自分が持ってきた
イデアを早く出し終わることばかりを考えてやって
いた。だから、他人が出したアイデアに便乗すること
なんか皆無であり、そこから何か膨らむこともなかっ
た。まったくもってブレストになっていない。でも、
それを認識している人がいない、というのがまた問題
といえるだろう。


(3) KJ法
さて、とりあえず全員が自分のアイデアを出して、あ
とはKJ法で整理をすることになったがこれもまた問題
だ。切り口が、意味があるかどうか、ではなく、分け
やすいかどうか、というものになってしまった。ブレ
ストにも関連するが、参加者が「さっさと終わりにし
たい」という思いがあからさまに出た結果だと思う。
誰も「この製品を本気でどうにかしたい」なんていう
のはなかった。だから、安易にやりやすいようにやり
やすいようにとグルーピングしていっただけになって
しまった。結果どうなるだろう。「So What ?」だろ
う。アイデアは分類できました、それで?という状態
だ。結局意味がないのだ。そこから何も見えない。
つまりは分類した結果何か見えるものでなければ何の
意味もないのだ。では意味があるものとはなんだろう
。それはやっぱり「お客さんにとって...」というもの
ではないだろうか。別に技術の切り口で分けるのが悪
いとはいわない。でも、そうであるならば技術がお客
さんとリンクするものでなければならない。また、切
り口が実現性なんかでもいいと思う。でも、そういう
場合もそれがお客さんとリンクしていなければいけな
い。お客さんとリンクして初めてマーケティングとの
関連性が生まれ、攻めどころを考えられる、というも
のではないだろうか。


さて、いずれにしても、自分の仮説を確認できたのは
よかった。当初の仮説では動作フローでアイデアを分
類できると思っていたが、他の人のアイデアを見てい
たらそれではきれいには切れないということがわかっ
た。そこで考えたのがお客さんの目的によるツリー構
造だ。これであればみんなのアイデアをすっきりと整
理することができた。
でも、これも他の人が出した多数のアイデアがあった
からこそ考えられたことだ。やっぱり自分ひとりで考
えるには限界がある。他の人のアイデアに触れること
で自分にとっては刺激となる。またそういうものを上
手に使っていかなければならない、ということがわか
った。