大企業の限界

さて、4連休にして3泊4日のグアムにやってきた。HIS
のツアーでやってきた。


さて、雑誌に載っていった無人島ツアーに参加しよう
と思ってこっちにきた。たぶん至るところに旅行会社
があり、そこでツアーを申し込めばいいと思っていた
ので日本では予約してこなかった。


ところがこの予想が大きく外れた。メインストリート
を一通り歩いてはみたものの、ツアーを主催するよう
な旅行会社は一切なかった。あるのは、射撃のお店、
マッサージのお店、日本食のお店、ABCストア、とい
ったところだ。


とりあえず困ったので、DFS内にある大手の旅行会社が
集まっているフロアにいってみた。そこには日本旅行
JTB、HIS、ANAJALなどのツアーデスクが並んでい
た。とりあえず、HISのツアーだったこともあり、HIS
に行ってみたが、「うちでは取り扱ってない」とむげ
に断られてあっさりと終わってしまった。仕方がない
ので、他の会社も回ってみたがどこも同じような対応
だった。


仕方がないので、雑誌に書いてあるツアーの電話番号
に電話してみたが、通じない状態...。これが目的だっ
たのでかなり残念だった。結果的に最後はなんとかホ
テルで電話がつながり、予約をとることができたのだ
が...。


さて、言いたいことだが...。このHISの対応だ。「う
ちでは取り扱ってない」と本当にこの一言で終わって
しまった。


もし、HISの澤田秀雄会長が1人でこのツアーデスクに
座っていたらどうしただろう。たぶんこんな対応は取
らなかったはずだ。まず「大変申し訳ありません、う
ちではこちらのツアーをお取扱いしておりません。」
と自分たちのサービスが充実していないことを詫びた
のではないだろうか。その上で、「もしよろしければ
私どもでこちらのツアー様へお問合せさせていただき
ましょうか?」と申し出るのではないだろうか。仮に
それで電話がつながらなかったとしても、「どういっ
た目的でこのツアーをご希望でしょうか。それでした
ら代わりにこういったツアーもあるのですが、いかが
でしょうか。」と代替案を提示してくれたのではない
だろうか。


つまり、何が言いたいかというと、大企業になるとは
こういうことなのではないだろうか、ということだ。
どんなに澤田氏が積極の重要性を説いたところで、組
織が大きくなれば大きくなるほど自分の力だけではど
うにもならなくなっていく。以前、セブン&アイホー
ルディングスの伊藤雅俊氏の本に、「会社が大きくな
ればなるほど、とにかく祈るような気持ちだ、そして
これだけ会社が大きくなってしまい、本当によかった
のか、ギリシャ神話のイカロスのようになってはいな
いだろうか、と自問自答している」ということが書か
れてあった。もはや自分の力ではどうにもならない、
ということをはっきりと認識されており、だからこそ
こんなふうんい考えてしまっているのだろう。HISに
してもたぶん澤田氏はこんな接客が行われていること
は決して望んではいない。でも、もはやそれをコント
ロールできない大きさになってしまった、といえるの
だと思う。


これは自社についても同じことだ。どんなに社長が顧
客満足を説いたところで、大企業であればあるほど、
その思いは末端まで届かないし、どっかで違う解釈を
されるかもしれない。企業が成長するということは、
いかに思いを浸透させ続けるか、それとの戦いでもあ
ると思う。