相同性と多様性
イキモノを考えたときに、そこにあるのは、相同性と
多様性だ。そもそも、人間というイキモノを考えたと
きに、目が2つあり、鼻が1つあり、口があり、髪の毛
があり、手が2本あり、足が2本あり、というのはつま
りは「人間」とはこういうものだというものを規定し
ているものである。つまり、同じような特徴をもって
いること、それが相同性となる。
一方で、周りの人を見わたしても、同じ顔の人はいな
いし、背の高さも違えば、髪の毛の色も違ったり、足
の大きさが異なったりする。つまり、誰一人として同
じ人はいないという多様性がイキモノの特徴でもある
。
この相反する2つの特徴を兼ね備えているのがイキモノ
なのである。
もっと平たくいうと、眼鏡を作ろうとしたときに、だ
いたいの人に合う眼鏡を作るのであれば、1つの型を作
ってそれで量産すればいい。これは人の相同性に基づ
いた考えだ。一方で、本当に1人1人にフィットした眼
鏡を作ろうとしたら、1人1人の顔のサイズに沿って、
作りこみをしなければならない。それが多様性への対
応となる。
従来の医療を考えた場合、人間の体を機能として捉え
てきた。つまり、人間を機能で詳細に分類していけば
、全ての人間は規定できるという考え方だ。これは、
相同性に根ざした医療といえる。ただ、この機能の追
及にしてもまだまだ未知の部分が多すぎるというのが
現状の医学だ。
一方で、これからの医療を考えた場合、それは多様性
に根ざした医療を行っていかなければならない。つま
り、イキモノの機能を設計するのではなく、1つ1つの
イキモノの環境を設計していくのだ。つまりは、個の
状態を無理やり規定し、それに個を合わせるのではな
く、個が自ら治癒したり成長できる状態を作ってあげ
ることが必要だ、という考え方だ。それが、再生医療
の根本にある哲学だといえる。
まだまだ消化しきれていないから上手に説明できない
なぁ。