ビジネスロードテスト

ロンドン大学のジョン・W・ムリンズ氏の書いた「ビジ
ネスロードテスト」を読んだ。新規事業を成功させる
ための7つの条件を記載している。


事業を考える上で、どういう切り口でみればよいのか
が非常に参考になった。マクロとミクロ、市場と業界
の切り口で考えていくのだが、こういうふうにとらえ
ると、とてもよく事業環境を整理することができる。
企業の研究テーマにもそのまま応用してもよいのでは
ないだろうか。


特に「マクロの業界」を考える際に、マイケル・E・ポ
ーターの5フォースで考えるのだが、その事例がよかっ
た。製薬業界の過去と今、そしてDSL事業を事例として
あげていたのだが、実際にどうこのフレームワークを使
っていけばよいのかがよくわかった。


ちなみに、7つの条件のうち、4つを整理すると次のよう
になる。


(1) マクロx市場
市場の魅力、構成するのは買い手。
市場として成長の余地があることが必要。
(2) マクロx業界
業態の魅力、構成するのは売り手。
5フォースで考える。
(3) ミクロx市場
魅力的なターゲットセグメントの存在。
具体的なお客さんがいること。
(4) ミクロx業界
持続可能な競争優位性。
特許、BBなどがあること。


このうち、必要条件は(3)と(4)だ。


また、もう一つ参考になったのが次のフレーズだ。


「ビジネスプランはもともと相手を説得するための手
段であり、その目的が資金集めである場合が多い。ビ
ジネスプランを作る起業家は、私のビジネスチャンス
のどこにも欠点はない」という顔をせざるを得ない。」


つまり、プレゼンをするということは、資金を調達す
るということなのだ。経営的なマインドを持つってい
うことは日常的なプレゼンもこういう姿勢で臨むこと
をいうんだろう。


また、次のフレーズも印象に残った。


「投資家は起業家自身もアイデアも重要視しない。少
なくともビジネスのスタート時に投資家が重要視する
のは、顧客の問題やニーズを解決することができ、そ
れが大きな利益や成長につながるかという点だ。」


つまりはコンセプトということだと思っている。


でも、新規事業を語る上で、不確実性に対する言及が
ほとんどなかった点が残念である。