破壊的技術の育て方

Nさんのやろうとしていることなんかは、既存事業にと
ってはまさしく破壊的技術といえる。その技術がビジ
ネスとなった場合、明らかに既存の事業部商品の代替
となる。
そうであるならば、既存の事業部に支援を仰がずにま
ったく別組織で行ったほうがいいと思う。そうしなけ
ればせっかく新しい技術で新しいチャネルを開拓した
のにも関わらず、「そのルートで既存商品を売るんだ
。」というようなことになり、ビジネスから鋭さがな
くなってしまうだろう。


1つのいい例が、新事業で始めたRという事業だ。これ
なんかは新しい形態のビジネス(自社にとって新しい
だけであり、既に競争の激しい市場である)を始めた
はいいのだが、その中に既存商品を取り込んでビジネ
スを進めてしまっている。
結果的に、サービスを開始して1年半近くたつが、その
コンセプトが悪いのか、それとも他に要因があるのかま
では詳細にはわからないが、まぁ、事業として成り立つ
ほどにはうまくいっていない。
R事業は、まさに既存商品にとっては代替手段となる。
それにも関わらず既存商品をやっていた人間がそれをや
るので、どうしても既存商品に捉われたビジネスを展開
しようとしてしまう。


このRという事業についていえば、既存商品に捉われる
ことなく、その事業に焦点を当ててビジネスをやれば
もう少しどうにかなったように思う。これに対する反
論はそうなった場合何で差別化するのか、ということ
になる。でも、それは市場自体が伸びているならば、
価値のない差別化をするよりは、市場の伸びに合わせ
て成長していき、その過程で差別化をはかっていけば
いいように思う。これに関しては、賛否両論あると思
う。


この先、このR事業をどうするか、を考えると、Oさん
なんかはマーケティングツールとして使ったらいい、
というようなことを言っていた。でも、小規模にやっ
ているだけで、とてもではないが、宣伝にもフィール
ド調査にも使うには不十分だと思う。
それよりは、ここで培ったノウハウを1つのコンテン
ツとして他社に売り込むほうがいいと思う。そうなれ
ば自ずと既存商品にも貢献できる。
それともう一つは、その既存商品に捉われずに、その
事業としてやっていくという道である。これもまたイ
バラの道ではあるが、せっかく得たノウハウをどう活
かすかを考えるのもまた重要なことだと思う。