目からウロコの保険塾

ライフネット生命保険の「目からウロコの保険塾セミ
ー」に参加してきた。
正直、たしかに目からウロコだった。生命保険なんてい
うつまらない話をこうも面白くこうも簡単に話せるのが
さすがだと思った。
今日の話を聞いて思った感想は3つだ。


(1) 保険の考え方
例え話がとにかく上手なのだが、つかみで引き込まれた
のが、「大地震への備えは防災食で十分、ご馳走を準備
する必要はない」というものだ。これはその通りだと思
った。たいていはわけもわからず保障額を決めたりする
が、たぶん、勧められるがままであれば、えてしてそれ
は過剰なものになると思う。たぶん、入ってみたら、ご
馳走の保障のための掛け金を払い続けているということ
だ。それと、医療保障について、「25万円の保障を得る
ために50万円払うのか」というものだ。要は保障される
期待値を考えれば、貯蓄したほうがずっと有効だという
考え方だ。これもまさに「なるほど」と思った。


(2) キャズム
前のセミナーの際に、他社の営業やFPの人がお客さんと
して加入している、というようなことを言っていた。た
ぶん、それがライフネット生命にとってのイノベーター
だろう。次に今回、わざわざ日曜日の昼間に時間を作っ
て保険のセミナーなんかに参加するような人たちだ。つ
まり、自分のキャリアやライフプランに対する意識が高
く、ITリテラシーの高い人たち、おそらくこういう人た
ちがアーリーアダプターとなるだろう。少なくとも、今
日の説明を聞く限りでは間違いなくこういう人たちは加
入すると思う。
問題はその後だ。要はアーリーマジョリティーをどう掴
むかが事業の分かれ目となるような気がする。キャズム
をどう乗り越えるかということだ。
岩瀬氏がグロービスセミナーの際に、「どんなに合理
的に有利だということが明らかでも人間というものには
面倒くささなどがあり、そういうのをどう乗り越えるか
が鍵だ」ということが言っていたがそういうことだろう
。たぶん、ITリテラシーが多少あり、大企業に勤める若
手社員でそれほど感度が高くないだろう人、というとこ
ろだろうか。
今現在でも、webサイトでいろいろなツールを提供して
いるがどれもシンプルで非常に敷居が低い。ただ、アー
リーマジョリティーを掴むためにはたぶんそれに磨きを
かけていくことももちろんだが、例えばグロービスでセ
ミナーをしたりするのとはまた違ったまったく別のアプ
ローチが必要になってくると思う。


(3) イノベーションのジレンマ
さて、もう一つの興味が、既存の生保はどういうアクシ
ョンをとるのかということだ。明らかにライフネット生
命、既存生保を破壊する技術(!?)である。
どの企業も今は、外交員が笑顔でお客さんと接するよう
なCMをじゃんじゃん流しているがそれがどこまで通用す
るのだろうか。
既存企業は自分たちの何十年と続けてきたビジネスモデ
ルを自分たちで陳腐化できるだろうか。