すごい人は大企業にいる

昨日、Nさんと話したことをざっとメモしておこう。


・自分はすごくない
Nさんはとにかく「自分は優秀じゃない、だから止まっ
てしまったらすぐにダメになる」と言っている。これ
については謙虚であるとかそういうんじゃなくて、本当
にNさんはそうだと思っている。
この感覚は僕もすごく近いものだと思っている。周りの
人は頭がいいんだから、その人がちょっとでも本気にな
ったらいつでも自分は追いつけなくなると思っている。
この感覚はいつぐらいからこうだったのだろうか。でも
、少なくとも小学校のときからこういう感覚でサッカー
をやっていたし、中学校のときはこういう感覚で勉強を
していたと思う。
でも、だからこそNさんはすごいと思う。Nさんがそうい
う感覚でやっている限り成長し続けるのだと思う。


・自社のアイデンティティ
自社が自社でありうる理由はボトムアップのカルチャー
にあるというのはたぶん多くの人の認識になると思う。
でも、Nさんに教えてもらったのだが、もう一つより目
に見える事業という形で、自社を成り立たせるものと
して副社長のN氏は、親会社になりルートを考えている
、ということだ。
たしかにこれは理にかなっていることだし、そこでど
うにかしたい、ということだ。だからそこに人を投入
しているのも納得のいくことだと思った。
僕自身は、「このままじゃ自社のアイデンティティ
なくなる、ダメだ、ダメだ」と言うだけで結局、何も
具体的なものはない。それではダメだ。
たぶん、N氏は誰よりもそれに危機感をもっているか
らこそ、実際のアクションとしてそれをやっているの
だということがわかった。
でも、残念なのが必ずしもそれ浸透していないことで
はないだろうか。もちろん、ビジョンは提示してはい
るが、でも本当にそれを浸透するならばこういうバッ
クグランドも伝えるべきではないだろうか。
また、東大総長の小宮山宏氏の『「課題先進国」日本
』によればまた違った方向性も見えてくると思う。も
ちろんそんなことも既に考えられているとは思うが。


・初代社長
さてでもこういう状況を初代社長が生きていたら何と
言うだろうか、という質問をNさんにした。
すると返ってきた言葉が、「いっしょんなろうが何だ
ろうがそんなのはどっちでもいい話だ。そんなことを
考える暇があったらお客さんのことを考えなさい。
たぶんそう言うだろうなぁ。」というものだった。
自分は初代社長のことを本を読み、知った気になって
いた。でも、Nさんから出てきた言葉はまさにそうい
うだろうな、というものだった。


・今の分野じゃなくてもいい
そして今の自分のこと。僕は今やっていることにこ
だわろうとしているが、でも、それは心がとらわれ
ているだけであることがわかった。
どんな分野であろうと、自分の興味をつきつめる、
それだけなのだ。だから分野を決め付ける必要はな
いし、別にそれが今の仕事とかけ離れていてもいい
。大切なことは自分が興味を持っているかどうかだ



・出し惜しみしない
とにかくNさんは自分の持っているものを出し惜し
みしない。本気で向き合ってくれる。だから僕も
出し惜しみしたくない。
でも、自分が後輩にこういう態度をとれるかどう
か。それがもっと重要だ。自分を出し惜しみする
こと。それはつまり、自分の成長に抑制をかけるこ
とになる。そうなってはいけない。


こうした先輩にめぐり合えたことは本当に幸せだと
思う。そしてやっぱりこうした人材がいる、という
のがうちの会社の偉大なところなんだと思う。


「すごい人は大企業にいる」というのはこういう人
を指すのかもしれない。