しがみつく

Tさんと飲みに行ってきた。Tさんは1年目のときのチュ
ーターだ。今は部署が離れてしまっているが、折を見
ていっしょに飲みにいっている。


もともと事業部にいたのだが、事業部が解体したのを
機に研究所にきた人だ。普段は寡黙で口数も多くはな
いが、人に対して真摯な態度をもっている人だ。


1年目、上司のIさん、Tさん、そして僕の3人でテーマ
に取り組んでいた。しかし、1年目も終わること、Iさ
んのやり方は明らかに正しくないと感じていた。ただ
、自分ひとりでそのテーマをやるだけのスキルはまだ
ないと思い、Tさんと僕と2人だけでやればいいと考え
て、そうなるためのアクションを起こした。


その当時僕は上司に黙って話をしようと一人で事業部
にアポをとって現状を説明しにいった。休みをとって
いったのだが、上司には後でばれて「懲戒もんだ!」
と怒鳴られた。


ただ事前にTさんに対してはそういうことをしようと
していることをきちんと伝えた。そのとき、Tさんは
、僕にはそういうことはできないけど、それでも、と
いい事業部がある工場までの電車賃を出してくれた。


今になってみてもその行動自体は間違っていなかった
と思っている。でも、今それができるか、というとち
ょっとだけ疑問がわいてくる。
大人になるっていうことは逆にいうとリスクをとれな
くなることかもしれない。また、これって会社に染ま
ってしまっていることを示唆しているんだと思う。


それとその当時は別にそれでテーマがつぶれたところ
で、たかだか研究テーマの1つがなくなっても大勢に
さして影響はないのに、何をそんなにガタガタ言うん
だと思っていた。


でも、今、自分の周りは自分も含めて必死にテーマに
しがみついている人ばかりだ。しがみついていないと
いけない状態。必ずしも僕の考えが間違っているわけ
ではないが、だからといって安易にそれを言うのも違
うんだという気がする。


しがみついているかどうか、なかなか自分では見えな
いと思う。でも、傍から見たらしがみついてる。
しがみついていると自分で認識し、しがみつくしかな
い、と宣言する人もいる。それはどうなのだろうか。
逆にしがみついているのに、自分はしがみついていな
い、と言う人もいる。
単純に言えば、しがみつかなければいいだけだ。「し
がみつく」と「しつこい」は違うはずだ。






また、昼間は少しNさんと話す時間があったが、まざま
ざとNさんの成長を見せつけられた感じだった...。