基盤技術orアプリケーション

研究所のテーマというものは、「基盤技術の開発」と「アプ
リケーションの技術開発」の2つがある。


自分たちの研究室は後者にあたる。つまり、目指すべきアプ
リケーションがあり、その実現のために研究を行っている。
アプリケーションの実現ができなかった場合はどうなるかと
いうと、その技術をもってして別のアプリケーションへ応用
できないか、という方向で進めている。


でも、アプリケーションが決まっている、ということは、
それが実現できたときには「絶対に商品化できる」というも
のでなくては意味がない。目標値を達成するための技術が完
成しても、「やっぱりニーズがあまりないので...」みたい
になるようでは仕方がない。そういう意味では先にコンセプ
トの整合があるべきだろう。実現性は別としても、それがで
きたときにどれだけ嬉しいか、ということの整合はとってお
かないと、せっかく作っても結局ムダな研究になりかねない
。コンセプト自体に魅力があるかどうかをまず最初に確認す
べきだ。


一方、基盤技術も問題はあり、「こんな世界初の技術ができ
ました!」といっても、あれにも使えず、これにも使えず、
という状態に陥ってしまうことはしばしばある。それはそれ
で問題だ。でも、こういう場合も、少なくともこれには使え
る、というものを何か見つけておくことが重要なのではない
だろうか。


まとめると、アプリケーションありきの研究の場合は、その
アプリケーションが絶対的にイノベーティブである必要があ
る。基盤技術ありきの研究の場合は、内野安打でもなんでも
いいので、少なくとも1つは出口を見つけて必要がある。こ
んなところではないだろうか。


また、何を「技術」として捉えるかも大切だ。それによって
将来の発展性が大きく変わってくる。