特許とノウハウ

今日の大学の授業は知的財産全般の説明だった。社会人
として参加している人間にとっては少し退屈な内容だっ
たと思う。それでも、基本的な部分をおさらいする意味
もあるのでこれはこれで勉強だ。


その中で印象に残っていたのが、特許化するのか、ノウ
ハウとするのか、という点だ。特許化すればその権利は
守られるものの、その中身は世の中に公知なものとなり
、マネされるリスクが発生する。一方ノウハウは、権利
化はしないが、一方でその秘密を徹底的に守れば、それ
は永遠に他社に対する差別化要因となるものである。い
わゆるブラックボックス技術といわれるものだ。この代
表例がコカ・コーラの原液の成分だ。これは、成分分析
などを行っても詳細にどういう成分によって成り立って
いるのか、というのはわからないのだ。従って、ウソか
ホントかそのレシピは銀行の金庫の中にあり、ごく限ら
れた経営陣しか見ることができないという。同様に、化
学系の材料などは成分分析を行っても必ずしもそれはは
っきりしないため、特許化せずノウハウとしておいた方
がよい場合がある。


一方、家電などは分解してしまえば、その構造等は目で
見てわかってしまうため、やはり特許化しておかなけれ
ばならない。しかし、その製造プロセスについては工場
内を見なければわからないものであり、その部分をブラ
ックボックス化して権利化しない取り組みを行っている
。松下のプラズマやシャープの液晶の製造プロセスには
こうしたノウハウがある。


以前、社内の展示会において、「BB技術」をキーワード
としてポスターを作っていたが、やたらとそこに商品コ
ンセプトや機能差別化のポイントを書いているものが目
立った。自分としては違和感を感じたが、広義に考えれ
ばそれもBBまのだろうか。流行言葉を使うのはいいが、
やはり言葉の定義は必要だと思う。それが社内の価値観
の共有につながるはずだ。もしかしたら、「BBはありま
せん」となるテーマがあるかもしれないが、それはそれ
でいいと思う。