コンセプトが大事

大学の授業も3回目だったが、今回は薬事の申請プロセ
スをより細かいところまで説明してくれた。もともと
審査する側にも立ったことがあるし、逆に申請する側
としても何度も戦った人だから、"審査官"がどういう
視点でモノゴトを見ているのかというのがよくわかっ
た。


その中で強調していたのが、申請者側のコンセプトを
はっきりさせなければならない、ということだった。
治験などのデータを取り揃えて持っていったとしても
、「いったいこのデータで何を言いたいのか」という
ものが伝わらなければ、まったく評価はされないとい
う。たんに「治験やれと言われたからもってきました
」というのでは話にならないという。
また、治験をやってみたところで、要は相応の有効性
が示されなければ同じだという。だから治験をやるの
であれば、どういうデータが出てそれがどういう有効
性を示すのかという仮説のもとでやらなければまった
くムダなものとなってしまうのだ。
それらは全てブレのないコンセプトに基づくという。
コンセプトがはっきりしていなければ、どんなにプロ
セスを進めたとしても、意味をなさなくなってしまう
のだ。


このコンセプトが大事というのは、この前のソフトウ
ェアの講演会でも同じだった。もともとの仕様があい
まいなまま外注に丸投げするからバグだらけのソフト
が出来上がってくる。結局、コンセプトが固まらない
から、開発者が適当に作ることになり、出てきたもの
が意にそぐわないということになる。


パラメータ設計の講演ビデオでも同じだった。そこで
も開発着手後の仕様変更はありえない、とうことだっ
た。仕様変更が起こるから設計変更が起こり、それが
品質問題へとつながっていくという。


でも...。
やっぱりうちはコンセプト作りに時間をかけていない
。「とりあえずやってみよう」だ。でも、これはコン
セプトを作る段階のものでなくてはならない。トヨタ
が計画にほとんどの時間を費やすというのはぶれない
コンセプトを作っている、ということなんだろうな。