好奇心と専門家

大学の授業の後、懇親会があった。普段なかなか接する
ことのないような人たちだったので楽しかった。しかし
それにしてもみんなバックグランドがバラエティに富ん
でいた。講義にはいろいろな授業があるが、それぞれの
専門性を生かしてディスカッションなんかしても面白い
ような気がした。


その中でOさんを紹介してもらった。40人規模のメーカ
ーで働いていて、検査装置を作っているのだという。話
を聞いていると、とにかく何でも知っている。業界のこ
と、研究のこと、ビジネスのこと。しかも、聞いてみる
と会社3年目の25歳だという。大学のときもこういう人
はけっこういたが、改めて思うのは、こういう人を専門
家というのだと思う。要は好奇心の対象がそこにあるの
だ。だから、別に勉強しているという意識はないし、何
を聞いても楽しいと思えるのだ。好奇心があるから何で
も知ろうと思うし、もっと知りたいと思うのだ。そう考
えると、自分のこの業界への好奇心というのは...。た
だそうは思っても、自分の商品に対しての好奇心は誰よ
りも強いとあらためて思った。そういう意味で今の自分
は今の商品の専門家だといってもいいのではないだろう
か。


また、彼の会社の話も面白かった。彼の会社の場合は次
のような仕組みになっているという。


・販売元、ブランド:他社1
・企画、開発:自社
・製造:他社2
・コア材料:他社3


非常にプレーヤーが多く、自分でコントロールできない
部分が多くあるという。これがその会社の問題点だとい
う。それでも、その会社には技術力とニッチではあるが
安定した市場があるから今はやっていけてるというのだ
。創業して20年くらいたつが最初の10年くらいで急成長
してあとはずっと横ばいというのが現状だという。なん
三枝匡氏の本の内容に似ているような状況だなぁ、と
聞きながら思った。でも、やはりそのぐらいの規模だか
らこそ、全体が見えているんだろうなと思う。その分野
に対する好奇心と小さな自社を捉える視点、ある種視野
狭窄になる可能性もあるが、やはり彼はプロフェッショ
ナルの1人だといえると思う。