プレーの可視化

サッカーの練習試合で、メンバーから外れたので、ちょ
うどよい機会と思い、前々からやりたいことがあったの
でやってみた。


それは各プレーヤーのプレー機会と成功率(失敗率)を数
値化することだ。


試合:30分、0-0、シュート1本


GK
AO:0/5
DF
UM: 4/21 (スイーパー)
SA: 3/18 (ストッパー)
KU: 2/ 9 (ストッパー)
MF
MI: 7/22 (ボランチ)
KO: 4/16 (ボランチ)
KI: 9/29 (右)
IR:10/22 (左)
KA: 3/ 6 (オフェンシブ)
HI: 0/12 (オフェンシブ)
FW
IK: 5/10


分母がプレー機会数、分子がミスの数。プレー機会数は
ボールが自分の完全支配下に入った状態の数です。ミス
の数は、ドリブルを取られる、相手のゴールキック、パ
スミス、など"相手ボールになった数"である。
際どい状況でのクリアや競り合いなどは、ノーカウント
としている。


さて、ここからわかること...。


・圧倒的にボールは両サイドに集まっている
→ 特にそういう指示はしていなくても自然とそうな
っている。やりたいことはこれ?
人が変わったらどうなる?

・両サイドのプレー機会はほぼ90%以上、ミドルゾーン。
つまりミドルゾーンでのミス率は37%
→ アタッキングゾーンまでいく前に、3回に1回以上
はミスで攻撃が終わるがこれでOKか?
じゃー理想はどのくらいか?

・両オフェンシブMFのプレー機会が極度に少ない。
→ 機能不全といっていいのでは?
本人の問題?周りの問題?
"つなぐサッカー"を目指しているがこれでOK?

・HIさんは"つなぎ"という部分に関してほぼ完璧!?
ミスがないという意味では大きな発見。

・IKさんのプレー機会はほぼ全てポストプレー
ただし、2回に1回はミス。
精度向上必要では?



ちなみにこれはミスをしたからその人が悪いっていうた
めのものではない。大切なのはそれが本人の問題である
のか、周りの問題なのかを話しあうことである。
数値はそのコミュニケーションの土台となりますし、"
測定"可能なものなのだ。

例えば、もしこういうデータを1月からずっととっていた
ら、新チームが成長しているかどうかがわかる。また、
そのポジションで人が変わったときにデータがどう変わ
るかというのも面白い観点だ。右サイドがプレーヤーが
変わってプレー機会が減っているのだとしたら、そこを、
「なぜか?」と考えていけばいいはず。
まて定期的にデータをとっていれば、IKさんのポストプ
レーの精度が上がっていることなどが確認でき、これは
モチベーションの向上にもつながる。


結局、今のうちの状態は、これまでもそうですが、監督
が「まだまだうちのサッカーはできていないな」という
主観的な判断のみで判断されているにすぎない。決して
数値は全てではありませんが、自分たちの状態を知る一
つのベンチマークにはなりえるでしょう。
もちろん、サッカーには数値に現れない部分が多々ある
ので、本質的にはスタッフがそういう部分を主観で評価
していかなければならない。
(うちのチームでそういうのはなかなか評価されないが。
)

また、「じゃーこの数値がいくつだったらいいの?」
という問題出てくる。それは自分たちで決めていけばい
いはずだ。一つの例は、「いい試合だった〜」という試
合のデータをベンチマークにすればいい。何試合もやっ
ていれば、「今日はチームが機能していた」とだいたい
みんなが感じるゲームがあるはず。そのときの数値デー
タを一つの指標として、あとは、それにどれだけ近づく
かを目指せばよいのではないだろうか。


まぁ、こういうのは使い方が難しくて、ヘタすると、
「お前はミスが多過ぎる」、「数値が悪いからダメ」と
いう言い方にもなる。また、全員が意味を共有してない
と、「そんな数値たいして意味がない」となり、まった
く浸透しないくなってしまう。


こういうのをやったら楽しいのになぁ、と思うけどな。