営業さんと食事

製造委託先のチョンボで不良が出てしまったので、その
手直しに出張に行ってきた。まぁ、なんとか問題の原因
もわかり、オペレーションの目途もついたのでよかった
。ご協力ありがとうございましたm(_ _)m。でも、こう
やって現場で自分で試して考えるとやっぱり理解が深ま
る。


さて、帰り際、営業のEさんがゴハンを食べて行こうと
言ってきました。まぁ僕一人だし、人見知りだし、さ
っさと帰ります、と言ったのだが、ぜひにというので、
いっしょに行くことになった。普段の担当はOさんなの
だが今日はOさんがいないためその上司のEさんがお相
手してくれるのだという。しかし、Eさんはもう自分の
父親くらいの年齢の方だ。かえって恐縮してしまう。


そんな感じで決して乗り気ではなかったのだが、実際
はいろいろと話ができて本当によかった。やっぱり人
の仕事の話を聞くのは楽しい。
そんな中、Eさんがこんなことを言っていた。


何年か前に新入社員が入ったのだが、その彼は入社し
てすぐに偏頭痛になって全然仕事が手につかなくなっ
てしまったという。本人はやめるやめると言っており
、Eさんの上司も「そんなんだったらやめてもらえ」
という。人事に相談すると、人事は「やめさせないで
ほしい」という。(でも、人事の「やめさせないで」
は彼の人生を考えてのことではなく、自分たちの成果
を考えてのことだ。)そんな中、Eさんは、「せっかく
入ったんだから、3ヶ月だけ頑張ってみよう」といい
、なんとか引き止めたという。結果的に彼はその後、
症状が回復し、今でも元気に働いているという。


また、別の話では、これも数年前にEさんの部署の入社
2〜3年目の若手社員が、今度は、出会い系サイトで子
連れの女性と知り合い、同棲を始めたという。そこま
ではまぁプライベートのことなのだから、なにを言う
必要もないが、その女性が病気持ちで、定時になると
会社に電話をかけて帰らせろ、帰らせろという。さら
には、組合にまで電話をかけてくるのだという。そん
な状態だから本人もとてもじゃないが仕事なんか手の
つかない状態になってしまった。そして、仕事なんか
できないから会社をやめるといっている。さて、それ
に対しても周りの人はみんな「プライベートなことな
んだからやめてもらえばいい」の一点張りだった。で
も、Eさんは「その女と別れろ!」と言い、そこまで
プライベートに踏み込んで、結局、裁判にまでなった
が別れることができたという。その後、その彼も元気
に働き続けているということだ。


辞める辞めないという問題は別として、Eさんのその
本気で他人を考えようとする姿勢に共感を覚えた。


文章じゃうまく伝われないかもしれないが、例えば、
入社式なんかでえらい人が訓示を述べるよりも、Eさ
んがこの話をしたほうがよっぽどためになると思う。
新入社員なんて誰もが最初は会社をやめようと思うは
ずだ。そんなときに、「自分の会社には本気で自分を
思ってくれる人がいる」と知っているだけで、おおい
に励みになるのではないだろうか。