戦略的パテント出願

たぶんメーカーであればどこでも"戦略的パテント出願
"などという言葉を使うのではないだろうか。自社にお
いてもご多分にもれず、そうした方針をとっている。


それもあり、期初にパテント出願の目標数が設定され、
期末はその目標を達成するために、パテント出願に追
われるという技術者の姿をよく目にする。それで、目標
を達成すればOK、というわけだ。


果たしてそれでいいのだろうか。現段階ではパテントは
出願数が重視されており、その質はほとんど問われてい
ない。果たしてそれでいいのだろうか。


もちろん、アイデア特許として出したものが後で価値を
生むということはよくある。でも、本来、"戦略的"とい
うのであれば、その事業のコンセプトから考えなければ
ならないはずだ。
コンセプトによってその将来像が見えてくる。そしたら
その将来像に到るためにどのような技術が必要か、とい
うことを検討しパテントを書くべきである。1年ごとの
目標設定もパテント数というよりは、1年の活動の中で
コンセプトに対してどのような修正が必要かをまずは考
えるべきである。そしてその修正された内容に従って、
パテントの出願計画を立てたほうがいい。同時に、活動
している中で生まれる特許がある。それは随時出願して
いけばいいと思う。


初めに目標数を設定することで、パテント出願を促すこ
とはよい。でも、本当にするべきことは、パテント出願
をカルチャーとして当たり前のものとし、その上に、コ
ンセプトに則ったパテントを出願していくことではない
だろうか。