殺虫剤業界

金曜日の夜は、小学校からの友人Yの家に泊めてもらっ
た。つい1年前くらいは、ニートだったのに今じゃ結婚
して5月に子供も生まれるというのだからたいしたもん
だ。


そんなYだが、今はフ○キラーで営業をやっているとい
う。今まで殺虫剤業界というのはまったくノーアイデア
の世界だったが話を聞いてみると面白い。
基本的に、プレイヤーはア○ス、フ○キラー、キ○チョ
ー、の3社しかいない。その3社で争っている状態だ。
そんな中で興味を引いたのは2点だ。


(1) 蚊鳥線香のイノベーション
蚊取線香には過去3回のイノベーションがあったという
。まず最初はキ○チョーによる蚊取線香。長らくこれ
しかなかった。今でも蚊取線香自体は存在するが、それ
自体の市場はシュリンクしている。次に起こったイノベ
ーションが、蚊取マットだ。「ア○スノーマット」とい
えば誰でも聞いたことがあるだろう。電気式のため、夜
中つけていても火事の心配などがない。そして、その次
が、「持ち運び式虫よけ」である。「フ○キラーのベ○
プ」と言えばこれも誰でも聞いたことがある。電池を使
うことで、場所を選ばずに使えるのがその特徴だ。


そして今、キンチョーは、いまだに蚊取線香にしがみつ
くしかないし、ア○スはフ○キラーを買収して成長戦略
をみつけようとしている。ケースとしては面白い。


(2) 営業のかけ方
基本的にはドラッグストアなどの棚割をもらうのが殺虫
剤業界の営業の仕方だという。そうした中ライバル社は
、自社製品だけを扱うことで金銭インセンティブを与え
他社が製品自体をおけないようにしているという。
しかし、Yがいうには、他社製品の市場シェアなどを考
えれば、そうした排他的なことをしないほうが、小売店
の利益にはなるのだという。そういうことに気づかない
売店が目先の利益のために、ライバル社の戦略にのっ
かっているのだという。
Yはライバル社のやり方に憤っていたが、実際のところ
はどうなんだろう。たしかにYのいうとおりかもしれな
い。そういえば、松下幸之助氏も、ライバルだからとい
って自分たちさえよければよい、というのは違う、とい
ったことを言っていたように思う。