先行きの不安感

会社は増収増益を達成しているものの、先行きに対して不
安というかネガティブな印象を受ける。「あなたの会社は
朝・昼・晩どれですか?」という質問を受けてなんとなく
「晩です。」と答えるだろう、という感じか。これはたん
に会社が古い、という理由だけではない。自分の中でこの
理由がわかった。ダイアグラムで表せないのがもどかしい
が、説明してみよう。


P・F・ドラッカー氏は著書『現代の経営』の中で「企業経営
の二つの柱はイノベーションマーケティングである」言及
している。つまり、ビジネスのステージはイノベーション
マーケティングに分けられる。これをプロダクトライフサイ
クル上で語ると、キャズム前に焦点をあてるものがイノベー
ション、キャズム後に焦点をあてるものがマーケティング
ろう。


そこでマーケティングをみたときに、古典的だが、PPMで事業
をカテゴライズしてみる。そうしたときに、要はほとんどが
「金のなる木」か「負け犬」かに属している。数少ない、「
スター」と「問題児」が存在するのみだ。
ここが先行き不安の要因で、次の成長戦略となりうる「スタ
ー」と「問題児」が少ないのだ。逆にいうと、ずっと「金の
なる木」で事業を成長させてきたのはすごいことだと思う。
これが現状だ。


今度は、イノベーションをみてみる。大企業でみればこれを
担うのはR&Dになる。さてどれだけ潜在的イノベーション
あるだろうか。コマツの坂根氏もV字回復を成し遂げた際に
、「商品にならずに眠っていた技術の種を知っていた」と
いう。果たして今の会社にそうした潜在的にすごい技術がど
れだけあろうだろうか。


こういうところで先が見えていないことが、会社としての先
行きの暗さにつながるのではないだろうか。


ここで一つ自分の考え方にバイアスがかかっている面もある
。これは今自分が赤字の事業部にいるということだ。たぶん
それもあってネガティブなバイアスはかかっているのかもし
れない。(自分ではそうした狭い視点になっているつもりは
ないが...)