グローバルの認識度合い

「みんなの意見」は案外正しい』を読んでみた。その考
えの根本は、優れた個人の出す答えよりも、ふつうの人々
の集団が出す答えのほうが賢い場合が多い、というものだ
。事例として、株価、交通渋滞、バブル、牛の体重当て、
などをあげて説明している。


さて、これを一つ身近な例で考えてみよう。


最近社長がしきりにグローバル、グローバルと叫んでいる
。海外の連結会社で考えれば、半分近くが外国人社員であ
る、といい、だから、当社はもう十分グローバル企業にな
っているのだ、といっている。


ここに問題がある。社長がどんなに叫ぼうと実際に働いて
いる社員がそう感じていなければ決してグローバルではな
いだろう。そこで、全従業員に「あなたのグローバル度は
?この会社のグローバル度は?」という質問をしてみよう
。0〜100%で答えて、その平均がだいたいこの会社のグロー
バル度だといえる。


社長のそれと、従業員のそれにギャップがあっては、現状
認識も将来へのグローバル化も進むわけがない。まずは、
その認識をしっかりともち、どうグローバル化していくの
かを考えるべきではないだろうか。


まぁ、本当にこれをやってみたらどのくらい自社がドメス
ティックなのか、ということがよくわかる。ちなみにホン
ダの海外売上比率は90%近くだという。グローバル度を示
すならそういった比較となる数値を従業員に示してみても
よいだろう。


望むべくは、グローバルということを叫ばなくても、自然
とそうなっているために、従業員が当たり前だからグロー
バルだとわざわざ感じることもない、という状態になるこ
とだろう。