ニューロスカイ社

日経新聞に、「丸紅がニューロスカイ社の製品を日本で
販売する」という記事が載っていた。


ニューロスカイ社はアメリカのベンチャー企業だ。
ニューロスカイの技術とは、脳波を簡易測定し、それを
フィードバックする技術である。デモでは、ヘッドホン
のようなセンサをかぶり、集中力を高めるとそれを検知
し、画面の中の物体を浮かしたり、飛ばしたりすること
ができる。またリラックスすると、物体が近づいてきた
りする。
これまでは、脳波を測定するためには、何十個ものセン
サを頭につける必要があった。しかし、ニューロスカイ
社はそれをごくわずかの小さなセンサで実現させること
に成功したのだ。


なぜ、この記事が目についてかというと、半年前にニュ
ーロスカイ社がうちにデモをしにきたのだ。研究所の何
人かがそれに参加したのだが...まぁ、結局何も話は進ま
なかった。まぁ、参加者の反応といえば、「へぇ、すご
いねぇ、何かうちの商品で使えるかなぁ...」程度だった
ように思える。


例えば、技術的なインパクトがどうなのか、どれだけの
差別性をもっているのか、などはとても考えていない。
また、自社製品に対して、直接的に使える、間接的に使
える、すぐに使える、実現は難しそう、もしできたらイ
ンパクト大、ただのオプション機能、etc...などという
切り口でなんかは考えていなかった。
また、自社とは直接関係がなくても、買収することで、
技術の幅を持たせればよい、ということや、米国とのコ
ネクションを強くする、などという考えは到底出てこな
かった。こういうレベルでものごとをみようとしていな
い。
また、半年たって丸紅が日本での販売を行うことが決ま
った記事をみて、誰が、「丸紅はどうしてあの技術を取
り込んだのか?」と真剣に考えるだろうか。
それと、結局、現場レベルで、「何かアイデアないかな
、ないなぁ」くらいでしか考えられなければその話が上
にいくこともない。


自分自身もそのうちの1人ではあるのだが、やはり、他
社が乗っていくのをみて初めて、「よい技術だったん
だなぁ」などと考えてしまう。うーん、情けない。