松下→Panasonic

松下電器産業株式会社がPanasonicに社名変更をするとい
う。そいて、Nationalブランドも全てPanasonicに統合す
る。


もともと中村邦夫氏が「破壊と創造」を掲げたときからの
規定路線だったといえる。


さて、これがこの先どうなっていくか、を考えるために、
他社の事例を考えてみる。


(1) 社名とブランドが別の例
(松下電器産業Panasonic・National)
スバル (富士重工業)
ユニクロ (ファーストリテイリング)
TUTAYA (カルチュア・コンビニエンス・クラブ)
白木屋 (モンテローザ)
五右衛門、etc (日本レストランシステム)


(2) 社名をブランド名に変更した例
(松下電器産業Panasonic)
日本警備保障 → セコム
MDM楽天
信州精器 → EPSON
立石電気 → オムロン
日産ダットサン(海外) → 日産


(3) 社名と別のブランドを新たに作った例
トヨタLEXUS
ファーストリテイリング → GU
花王 → セグレタ
SONY → アイワ


(4) 番外編(大手電機メーカーの例)
SONYSHARP、SANYO、TOSHIBA、HITACHI、NEC
FUJITSUSAMSUNG、LG。


こう見ると、基本的にブランドを分ける意味は、価格戦略
によるセグメント分けという意味合いが強いように思える
と思う。トヨタLexusファーストリテイリングのGUな
んかはその典型といえる。
そういう意味でいうと、PanasonicとNationalにそういっ
た価格的セグメントの意味合いはあまりないように思う。


また、社名をブランド名に変更する例として、失敗する例
はあまりないと思う。まぁ、楽天なんかは新しい企業だか
らまだ社名が浸透していなかったのでよかったと思う。オ
ムロンなんかが松下にとってはよい見本になるのではない
だろうか。


いずれにしても、Panasonicの統一は、2つの利点がある。
・NationalとPanasonicで別にかかっていたブランド投資を
 共通化することで投資効率が上がる
・パブリシティなどで、松下、Panasonic、Nationalとそれ
 ぞれ分散していたものが統一されるため、よりPanasonic
 の認知度を上げるのに貢献できる。もちろん海外への認知
 度も含めてである。


一方で、懸念があるとしたら、Panasonicブランドの散漫化で
ある。「テレビ=Panasonic」というブランドイメージが曖昧
になることである。Nationalが親しまれていた中で、「Panasonic
の冷蔵庫」「Panasonicのアイロン」「Panasonicの物干し台」
、これらをうまく育てていけるかどうかである。
個人的にみると、SHARPなんかは液晶のイメージが強すぎるた
め、あまり、SHARPの冷蔵庫なんていうのはピンとこない。
(電子レンジはSHARPというよりは"ヘルシオ"かしら)
それが今後の松下の成長のキーとなるだろう。