どこも儲からない業界

構造的にどの会社も儲からなくなっている業界が増えて
いると思う。業界自体が衰退しているというわけだ。日
本の人口が減少していくことを考えれば、今後その傾向
はさらに高まるだろう。プレーヤーの数が減ったとして
も、儲からない状況に変化はおきないだろう。この状況
を打破するためには、どうすればよいだろうか。


業界自体は成長しているが、"どこも儲からない"という
意味では、少し前の"パソコン業界"がそういう状況だっ
たと思う。結局、製品アーキテクチャがモジュール型な
ので、結局、組み立てるだけのセットメーカーは付加価
値を生み出すことができず、低利益率にあえぐ状態だっ
た。その中でも、SONYがバイオで成功したりして業界を
引っ張っていた。


そこに、構造的な変化をもたらしたのが、"DELL"だ。直
販モデルを生み出すことで、低価格・高利益率を実現す
ることができた。


これに倣うと他の業界はどうなるだろう。ドメスティッ
クな国内市場だけを相手にしているような業界では、次
のようなイノベーションがおきるだろう。

  1. 海外生産による低価格商品
  2. 代理店を飛ばしたダイレクト販売



後者のシステムは容易に思いつく。しかし、既存の企業
ではできない。それは、今まで代理店と強く結びついて
いっしょになって成長してきたからだ。ダイレクト販売
をすれば、代理店はつぶれることになる。"解雇"と同じ
ことになる。だから既存の企業ではできない。


じゃーどこがやるのか。ベンチャーとしては十分狙う意
義のある市場だろう。これがイノベーションのジレンマ
ともいえるかもしれない。ダイレクト販売による低価格
戦略。最初は品質が悪いかもしれないが、例えば、それ
でも受け入れるところがあればそこが足がかりとなる。
それから品質を伸ばしていくことで、技術的なSカーブも
描けるようになるだろう。


では、既存のプレーヤーはどうすればいいのか?