NIH

そのビジネスをやるかどうかの最終的な意思決定は事業
部が行う。いくら研究所がいいコンセプトを作って、そ
れをもっていったとしても、事業部が「うん」といわな
ければ、商品にはならない。そうなったときは、新事業
としてやる、ということもなくはないが、基本的には、
事業をやる主体者の「YES」が必要だ。


技術に限らず、企画にしても、どっかかから、これはど
うですか、と事業部に持ち込まれる。たいてい、「すぐ
にやりましょう」とはならない。特に新しいものであれ
ばなおさらだ。それが売れる保証などないのだから、仮
に失敗したときのリスクを考えてしまう。つまり、最大
利益よりも最小損失ばかりが頭にある状態ではなかろう
か。


もちろん、持ち込まれた技術や企画の良し悪しもある。
しかし、問題はそれ以前の問題だ。要は意思決定者がそ
こまでものごとを考えているかどうか、さらにはチャレ
ンジ精神があるかどうか、ということに関わってくる。
また、担当者に持ち込まれた話を担当者が面白いと思わ
なければ、話はその上にいくことはない。


これを、NIH (Not Invented Here) というのではないだ
ろうか。


  自分たちの知らないものがやってきた
→ よくわからない
→ 思い入れもやり遂げようという気概もない
→ 最大利益ではなく最小リスクを考える
→ やらない


こんな構図になるような気がする。


さて、これをなくすためにはどうするか。要は意思決定
者や事業主体者が、それを自分たちのものだ、と思う必
要がある。はじめから売れるとわかっている新技術、新
企画などあるわけないのだから、どうやってそれを価値
あるものを仕上げていくかが大切だ。それは事業主体者
が、それこそ"主体者"とならなければならない。


そうするためには、やはり、「コミュニケーション」と
いうことになる。コンセプト作成の最初の段階から入っ
てもらったり、都度意見をきいたり、またはプロジェク
トを組んだりと。


「技術は私たちやります。できたので後はお願い。」こ
れでは受けるほうも受ける気にはならないだろう。






本当は、CONCEPT MAIKING よりも EXECUTION の段階にお
いてのほうがより DECISION MAKE の重要度が上がってい
るなぁ、ということについて書こうと思ったんだけど、
まぁ、いいや。