パラメータ設計事例交流会

パラメータ設計の交流会があった。アルプス電気の方が
来られて品質工学の実践例を解説してくださった。やは
り品質工学を実践するためには、「本質を理解し、部下
を引っ張ることができる上司。推進サイドのサポート。
エンジニア(実行部隊)の頑張り。継続的な実力アップ。
業務の定常化。」が必要だという。


たしかに思っていた通り、一般の業務の中で自分で勉強
をしたからといってすぐに実践できるものではない。(
まぁ、タグチさんは自分でそれを編み出したわけだが。
)従って、やろうと思ったときにそれをガイドしてくれ
るような人が必要になる。そう考えると部下自身の研修
もそうだが、上司自身がやろう、という気にならなけれ
ばやはり浸透はしていかないだろう。そういう意味で、
アルプス電気では専務からトップダウンで指示がおりて
きたこと、また、現場の中で必要性を感じて実践してい
た人がいたというボトムアップ、その両方があったから
こそ成功したのだろう、と思う。


その後、自社工場の方が3名パラメータ設計の実践した
内容を説明されていたが、やはり「総当り」でテストを
行っていた例が大半であった。ここの工場では、品質工
学の導入が進んでいる、と聞いていたが、なんとなく、
どのくらいのレベルにあるのか、ということを感じるこ
とができた。逆にいえばもっともっと伸びる余地はある
ということだろう。






話は変わって、昨日、企画のNさんと話していて違和感
を感じた3つのこと。

(1) 他の事業部よりもうちはマーケティングがうまい
どうもコンシューマプロダクツを扱っているから自分
たちはマーケティングがうまい、という話だ。いや、
それは事業構造、産業構造が違うので、うまい下手と
は別の問題だろう。単に商品サークルが短く(何回も商
品発売を経験している)、エンドユーザを相手にしてい
る(やることが派手)からそう見えるだけではないだろ
うか。そもそも「うまい」のならもっと売れてもよい
はずでしょ。


(2) 戦略はもちろん本部長が言っている....でしょ
「本部長が言っていることが戦略だ」と真顔で言って
いる人を初めてみた。本当に心からそう思っているの
、と言ってみたい。結局、自分がどう思うかではなく
上の人がどう思うか、が大切なようだ。


(3) 自分はやってるよ
「死ぬほど考えてあらゆることを出し尽くして、それ
でもできない、そこまでやった、と言えますか」この
質問に対して、「やってると思うよ」と答えてくれる
。本当にやっている人はそんなふうには答えないです
ね、間違いなく。


(4) 情報を与える
「研究所にだって必要な情報は与えてるよ」だって。
そもそも日常会話で"与える"という言葉が平気で出て
くることが異常でしょ。要は完全に上からしか見てい
ない。これを傲慢というのではないだろうか(対等で
はない)。そして、これをカルチャーというのだと思
う。だって言っている本人は違和感を感じていない
のだから。自分も気をつけないと。




なかなか難しいけど、楽しい会話だったなぁ。