パラダイムの魔力

ジョエル・パーカー氏の「パラダイムの魔力」を読んだ
。内容としては、人の思考はパラダイムによってなされ
る、というものだ。


物事の捉え方、という意味では、ここでは、「コンセプ
ト」と同義になるようにも思った。


そこで、感じたのが、自分の拠り所となるパラダイム
まずは必要、ということだ。もちろん、パラダイムに、
捉われずに物事を捉えることが大切だ。つまり本質を見
るということだ。でも、一方で、自分のパラダイムがな
ければ、他のパラダイムが出現したときに、それが何な
のかというのがわからなくなってしまう。


要は、例えば、小学生を世界遺産に連れていったとして
もそのよさがわからない、というようなものである。お
花見でも紅葉でもいっしょだ。そもそも小学生にとって
はそんなに楽しいものではない。それは、つまり、自分
の見ている新しいものが何なのか捉えられていないから
だ。


自分のパラダイムをもつというのはある意味そういうこ
とに近いと思う。それが仕事でいえば、専門性を持つ、
ということだろう。それが確立されていれば、他の新し
パラダイムがやってきたときにそれを応用することが
できる。


ものごとを本質的にみる(パラダイムに捉われない)と
いうのはおそらくその後のプロセスになるだろう。だか
ら自分はまずはその専門性をつける、というのが先決に
なる。専門性がなく、ただたんに本質だけを見ようとし
ても、なんとなくそれは薄っぺらな本質になってしまう
だけのような気がする。


もう一つ面白いと思った内容は、リーダーの定義だ。


「人々が自ら進んで行こうとしない場所に人々を導くの
がリーダーである」


これは、元産業再生機構の富山和彦氏とも共通する。高
度成長期の右肩上がりの時代であれば、正直リーダーは
いてもいなくてもいっしょだという。リーダーがいなく
ても作って売ればそれで成長していくのだから。でも、
今の時代はそうではなく、不確実性の中で生きていかな
ければならない。だからジョエル・パーカー氏のいうリ
ーダーが必要になってくるのだ。