続・プロジェクトの問題

今後の方向性について話し合った。そこで、感じたこと
は2点。
(1) 上司の言うことは絶対!?
(2) 「何か出るかもしれないからやってみる」


(1) 上司の言うことは絶対!?
事業部長に進捗報告をしたところ、「先に進めるのもい
いが、原因を明らかにしてから進め」という指示があっ
た。たしかに言っていることはもちろんその通りである
。それこそ品質の基本だと思う。ただし、それによって
問題が「原因を究明する」という点に摩り替わってしま
った。大切なのは、仮説を立ててそれに対してどうする
かだ。原因がわかりました、それで?ではどうしようも
ない。ましてや、世界中探したところでおそらく誰も答
えを持っていない領域の話である。本当にそこに時間を
費やすことが正しいことなのか。でも、誰もそれに対し
て疑問を呈さないのが不思議だ。原因を追究することが
問題の本質ではなく、顧客視点からどうするかを考えな
ければならない。「事業部長が言ったから...」ではな
く、「顧客がこう考えるから...」という発言がもっと
出てこなければおかしい。その視点から、どうしていく
かを考えていくべきだ。上司の言うこと=顧客の声では
ない。自分個人としては、そこにどれだけ労力と時間を
注ぎこんでも、得られるものはたいしてないだろうと思
う。


(2) 「何か出るかもしれないからやってみる」
上記の通り、問題の原因を追究しなければいけないのだ
が、結局は、「何か出るかもしれないからやってみる」
というアプローチしかない。たぶん、何も出てこないだ
ろう。要は、それをやったときに、最高の結果が出た場
合、最低の結果が出た場合、何も出なかった場合、を先
に想定しておかなければそれをやってもしかたない。「
何か出るかもしれない」というのであればその何かを先
に想定しておかなければしかたない。仮に最高の結果が
出た場合にそれでどうなの?ということだ。別の視点か
らみたら、失敗に終わったときに、今度はそれがなんで
かを追求してみたら何かあるかな、というのはありだと
思う。ノーベル化学賞の田中さんがそうであった。いず
れにしても実験をやる上で、「何か出るかもしれないか
らやってみる」は、何も出ません、と同じことではない
だろうか。