井の中の蛙

先輩のOさんがこんなことを言っていた。
「うちの部署のやっていることは実は社内でやっている人はほとん
どいない。要はライバルがあまりいない分野だ。だから、競争する
相手があまりいないから成果を出しやすい。○○R&Dセンターが近
いことをやってはいるが、そこまでできる人がそんなにいるわけじ
ゃない。もし○○R&Dセンターに優秀な人がたくさん集まっていた
ら脅威ではあるけど。」


たしかに一部、そうかもしれない。でも、果たしてそれでいいのだ
ろうか。そこには2つの危険が潜んでいると思う。

  1. 思考が社内に向いているのは危険
  2. 切削琢磨する人がいないのは危険



まず、思考が社内を向いてしまっているのは危険である。社内でい
くら成果をあげたかどうか、というのは結局社内の理論になってし
まい、社会にどう貢献しているか、というよりも、会社にどう貢献
しているかになってしまう。新しいものを見つけようとしても社内
だけをベンチマークしていても何も出てこないのでは。研究者であ
る以上自分のレベルがどの位置であるのか、というのは社外におい
て知らなければならない。そういう意味でいうと、上司のFさんは、
前に「社内にベンチマークになるような人はいない。私の場合は、
大学の同期とかで社外にいる人だ。」という話をされていた。


次に切磋琢磨する相手がいないことを喜んでいても何も成長はしな
いのでは。できる人間といっしょに仕事をし、互いに学び合えるよ
うな人がいて、はじめて"成長できる環境"といえるような気がする
。少なくとも同期や同じ年代と比べて、"自分はできるんだ"なんて
言っているようでは話にならないと思う。


だいぶ厳しい口調で書いてしまったが、自分も含めて多くの人がこ
うした危険性を内包していると思う。