上司をあてにするな

上司は心から部下の成長を思ってそういう働きかけを
してくれているのか、僕は多くの人はNoだと思う。
もちろん、部下思いの人はたくさんいるだろう。でも
、それをあてにするのは間違いだと思う。


僕自身も根っからの性悪説論者ではない、むしろどち
らかといえば、性善説論者だ。だから、例えばどんな
にアホみたいな仕事をふられたとしても、それは上司
が自分のためを思うからこそ意味があると思ってやら
せてくれるのだ、とポジティブにとらえたくなる。


でも、それ自体が上司をあてにしていることになる。
結局、それが本当に自分のためになるかどうかは、自
分で判断しなくてはならないし、実際に自分の取り組
み方次第になる。だから、結果的に、そうした仕事が
全然成果につながらず、自分の成長に寄与しなかった
としても、それは上司のせいでもなければなんでもな
くく、自分のせいなのだ。


Nさんは性善説論者だから、○○さんも僕のためを思っ
てあえてそういうことをさせている、ということがあ
る。でも、本当にそれをYESといえるだろうか。


Nさん自身、若い頃に全然亜流のまったく日の目を見な
いような仕事をして上司にも全然かまってもらえなか
った。その後、別のプロジェクトに参加したものの、
そこでは正論を唱えたがために、干させることになり
、転職寸前のところまでいった。


結果的にそうした経験はNさんにとってはプラスに働き
、スキルをつけることもできたし、人間的にも成長を
とげることができた。


でも、Nさんの上司はそうなることをみこしてあえてN
さんをそういう境遇に追い込んだのだろうか。それは
違う。決してそこまで考えてないし、たんに成り行き
上、そうなっただけだ。Nさんが成長できたのはそう
いう環境でも自分でスキルをつけ、自分で考えたから
だ。Nさんの上司たちは誰も悪い人ではない。むしろ
、みんないい人たちだ。でも、もう一歩間違えていた
らNさんみたいな優秀な人間が他社に転職していたの
だ。果たして、本当にそれでいい上司といえるだろう
か。それでもその人たちを信じるべきといえるだろう
か。


結局、誰が上司になったとしても、その人が導くこと
ができるのはせいぜい自分で歩んだ経験を歩ませるこ
とぐらいだ。それ以上の導きは普通の人はできない。
むしろ、自分が歩んだレールを部下が歩もうとしなけ
れば嫌悪感さえ示すのが普通の反応だろう。


では、上司はどうあるべきか。もちろん、部下思いで
あることはそれはそれでいいことだと思う。でも、大
切なのはいかにその部下が自分で考えるようにしむけ
ていけるかだろう。結局、最後は自分で考え、自分で
生きていくしかないのだ。ましてや、あっという間に
技術が陳腐化するような時代においては前世代の教訓
が害にすらなったりするのだから。


また、自分を超えられるような成長を促すことができ
たらなおいいと思う。要は、自分の経験を否定し、自
分の成長以上に部下を成長させることができたら、そ
れは上司の役目を果たしたといえると思う。


まぁ、いずれも理想論なわけで、結局は人頼みはいけ
ない、ということだ。自分で考え自分で失敗し自分で
成長していくしか道はない。