先進国の役割

というわけで、無事に成田に到着。よかった、よかっ
た。毎回、旅行に行く前はたいして期待もせずに行く
のだが、行ってみるとすごく楽しい。これは他人の結
婚式に行くときも感じることだ。


さて、ラオスで感じたことなのだが、ラオスはすごく
人がおだやかだと感じた。それと、あまりホームレス
がいなかったように思う。これって、たぶん貧富の差
が少ないからだと思う。幸福度は相対的なもの、とい
う考えにいきつく。つまり、周りも自分と同じくらい
の生活をしている人たちばかりなら、特に自分が不幸
だとは思わない。一方で、周りがお金持ちで自分だけ
が貧乏だと物理的な差以上に、精神的な差として自分
の貧しさを感じることになる。アジアでも貧しい国で
あるラオスだが、そういうこともあってか、人々に卑
屈感というか貧しさは少ないんだと思う。戦後の復興
期の日本がこんな感じだったのではないだろうか。今
でいえば、ブータンがこういう政策をとっている。も
ちろん、成長を止めているわけではないのだが、ブー
タンの価値観の中での政策をとっているのだ。


ラオスも、資本経済にいる限りは、今後、経済発展を
とげていくだろう。そうなったときに自分たちがどう
あるべきか、というのは周りのお手本国が参考になる
と思う。タイなりベトナムなりがそうじゃないだろう
か。


考えるべきは、タイやベトナムで今起きている問題が
いずれラオスにも起きるということだ。ラオスにでき
ることというのはそうならないような政策を今のうち
に立てることなんだと思う。


そう考えていくと、先進国というのはそうしたまだ誰
も経験していない課題をいかに乗越えていくかという
ことを示す役割を担っている。東大の小宮山先生の課
題先進国という考え方だ。ゴミ問題にしろ、公害問題
消費者問題、もっともっと日本が果たすことができ
る役割はあるはずだ。たんにODA額を増やすのではな
く、自分たちが解決できたこと、解決できなかったこ
と、それらを示し、いっしょに考えることが必要なの
ではないだろうか。同時にそうした国から学べるとこ
ろもたくさんあるはずだ。そういう国家間の関係とい
うのが望ましいと思う。