説得する

大学の海外研修の期間が予定よりも短くなり、当初1ヶ
月程度ということであったが、なんとか2週間程度、実
働で8日間休むだけで参加できることになった。


というわけで、再度上司のFさんと交渉。1度目は完全
に却下されたわけだが、そのときにキレなくてよかっ
た。ケンカ別れしなかったので、もう1度交渉できる
のだ。


とりあえず、「8日間だけ休みをください。」という
ことでお願いをした。でも、年休としていくことは
ダメという結論だった。代案として、研究所の自分の
時間を10%使えるルールで行くというのであれば、自分
の裁量を超えてしまうので、そちらで許可がもらえる
のであればOKです、というものだった。


Fさんの基本的なスタンスとしては、極めて仕事に近い
内容であるわけだからそうであるならば、きちんと説
得する材料を持ってきて仕事として行ってください、
というものだった。


たしかにこれはもっともだと思った。僕自身としては
、年休を使うんだから自己責任で好きなようにいかせ
てください、年休だからアウトプットが出るかどうか
もわかりません、仕事に支障は出ないようにします、
というスタンスだった。


でも、やっぱりこれではダメだということを思い知っ
た。自分が意義があると思うのであれば、ようはそれ
を人に説得できなければならない。人を説得できない
ようなものであれば所詮その程度のものだ、というこ
となのだ。サラリーマンである以上これはどうしよう
もない。自分がどんなに素晴らしいと思っても、そう
いうヒエラルキーでできている以上はそこに不平不満
を言っても意味がない。


結局、自分は「やりたい」「やれる」はあったのだが
、肝心の「やらなければいけない」という切り口の視
点がなかった。


もう1点。年休を使っていかせてください、なんて言っ
ているうちは学生気分だ。自分の年休なんだから休み
の日に何をしていても会社には関係ない。だから、ア
ウトプットが出なくてもそれがエクスキューズになっ
てしまう。給料なしで働かしてください、というのも
まったく同じ理論だ。アウトプットが出なくても、自
分は給料をもらっていないんだから仕方がない、とい
うエクスキューズができてしまう。所詮、そんなのは
プロがやることではない。アマチュア、学生の思考だ



情けない話しだが、会社のお金を使う、人様のお金を
使う、というプレッシャーを初めて感じた。これまで
口ではえらそうなことを言ってはきたが、こういう感
覚になったことはなかった。ダメでもしょうがない、
失敗しよう、なんて甘い考えでいたが、本気になって
取り組んだ結果の失敗でなければ何の意味もなさない
。まだまだアマチュア思考であることを思い知らされ
た次第だ。


もし、あのまま年休で行ってきていいよ、となってい
たらどうだろう。たぶん、自分は本気で調べたりして
はいかなかったと思う。そういう意味でFさんには感
謝しなければならない。