上杉鷹山

ずっと読もう読もうと思っていて読めてなかった、「小
上杉鷹山」をようやく読めた。本当にいい本だ。


上杉鷹山ジョン・F・ケネディ元大統領が日本人記者
と会見した際に、記者に「あなたがもっとも尊敬する日
本人は誰ですか?」と質問され、「ウセスギヨウザン」
と答えたが、その場にいる記者は誰も「ウエスギヨウザ
ン」を知らなかったという逸話がある人物だ。江戸時代
米沢藩を改革した人物なのだが、まさにこの本は組織
変革のための教科書といえる。現在の企業に置き換えて
みても十分通用する。変革に反対する旧来の家臣たち、
変革しようとする、はみ出し者。そして人間の価値観は
変わらないという現実...。しかし、そうした中で上杉
鷹山の何がすごいという点は、我慢強く「決して怒らな
い」という点を貫き通したことと、結果ではなくプロセ
スを重んじたことだろう。またそれと同時に自分自身が
改革の具体案を出し、それを実行もした。でも何よりも
世の中、そして周りがまったく違う価値観を持っている
中で自分の価値感を信じ続けたことだろう。そしてそれ
が無私だったとうことだ。それにしても改革のプロセス
がJ・P・コッター氏とほぼ一致している点がすごい。ま
た、普通に小説としても面白いので、大変読みやすい。


道ばたでおばあさんに、「やさしい目をしている」とい
われるシーンがすごく印象的だった。