富山和彦氏の講演

グロービス大阪校で富山和彦氏の講演があったたので、
会社を休んで行ってきた。


見た目は普通のおっさん、という感じだったが、同時に
真剣になったときの目は全然違うんだろうな、という印
象をもった。


基本的には、『エリート優等生』の問題点について繰り
返し述べていた。本にも書いてあるが、「カネボウの経
営陣がアホだ」というような人間は経営者になるべきで
はない。実際に自分のあの場にいたら同じ意思決定をす
るに違いないと思う。


会社が順調なときは誰が社長をやってもつとまる、とも
おっしゃられていた。これは高度成長期などがそうだろ
う。ただし、問題は、右か左かを決めなければならない
意思決定に直面したときのその決断ができるかどうかだ
という。つまり決断を背負うことは経営者にしかできな
いし、どこにも逃げ場はない、ということだ。


そして、経営とは、「売上-コスト=利益>0」が絶対的条
件であり、松下幸之助さんも稲盛和夫さんもそういって
おられる。また、経営には科学的答えはなく、そもそも
自分が正しいことをしているのかどうかさえわからなく
なってしまう。常に二項対立があるのが経営なのだ。ト
ップダウンorボトムアップ、年功or成果主義、という議
論はくだらいない。能力を測れるのが年功ならば年功に
すればいいだけだ。


経営理念をどう考えるか。これは「自分の全財産or命と
企業理念がトレードオフになったらどうしますか?」と
いうことだ。中途半端な理念は語るべきではない。違う
のであれば「お金が大事です。」といったほうがいい。


給料は目一杯もらうべきではない。だいたい自分の能力
の半分くらいにしておく。そうしないといざというとき
にそれが弱点になる。


人を見るとき何をみるか。顔つき。でも、学ぼうとしな
い生意気と学ぼうとする生意気だったら後者のほうがい
い。


以上、印象に残った点だ。


人の講演を聞いてここまで引き込まれたのは久しぶりか
もしれない。いつもだったら、参加者の表情などを観察
するのだが、そんな暇もなかった。ただ、今の自分にと
って本当に聞いてよかった話だと思う。これが30歳以降
で聞くとまた厳しいと思う。


しかし、出席者に40代、50代のサラリーマンが多く見受
けられた。彼らは富山さんのいうリーダーになるには少
し歳がいきすぎていると思う。いったいどういう感想を
もつのだろう。可能であれば、入社3〜5年目くらいの若
手がきくとよかったと思う。ビデオにとって会社で流し
たいくらいだ。