ハゲタカ

NHKのドラマの「ハゲタカ」が再放送でやっている。思
わず見てしまったが、再放送されるだけあってかなり面
白い。


先週、義兄が地銀の銀行員だったこともあり、いろいろ
と銀行の話を聞いてたからなおさらである。


バブル崩壊後、銀行がどういう対応をとっていたのか、
かなり現実的に描かれていると思う。苦境時に一方的に
融資を切り上げ、中小企業を追い詰めたことは、一見冷
酷に映るが、それは中小企業の自業自得という面もある
。「借りた金を返す」という合理に沿えば、問題は中小
企業側にもあるのだが、情理の面からみたときに、ドラ
イにそれを割り切る文化は日本にはないのだ。


ホライズン・キャピタルという米国のファンドが、ハゲ
タカとして登場する。一見、悪者のように映るが、彼ら
のやろうとしていることは、まともなことで、企業を安
く買って、企業価値を高め、それを高く売ろう、として
いるだけだ。


まだ第2回なので、「ハゲタカ」たる本質に迫ってはい
ないが、「ハゲタカ」の問題点は、短期的な企業価値
向上のみを目的としている、という点だ。余分な資産を
減らし、財務体質をスマートにし、コストを下げ、ROA
と利益率を大きくしようとするのが彼らだ。彼らの手に
かかれば一見業績は回復するように見えるが、長期的に
企業を経営する気はないため、結局は一時的な業績向上
のみで、それ以降の手がなくなる、という状態に陥って
しまうことが問題なのだ。


ドラマを見ていて、「おかしい」と思った点。
・そもそも都市銀行が夫婦でやっているような町工場に
通って、いっしょにネジ拾いしているのはおかしい。
実際は、それは信金がやるようなことだろう。
外資投資ファンドとしての再建案として、社長退任
 を迫るところまではいいが、ダメ息子を次の社長に据
 えようとするのは、どうかと思う...。