花王

【読書】 『花王「百年・愚直」のものづくり』


成功事例・失敗事例ともにあり、企業を題材とした本としては、
かなり内側に入り込んだ内容になっていると思う。実際に社員に
聞いた話とほぼ同じに思える。これは花王の中で、情報がかなり
オープンになっていることのあらわれではないだろうか。


特に目立つのは、新しいものに対する気づき力だ。社員の気づき
が製品に結びついた成功例が多々ある。やはりこれは日々考え続
けた結果であり、また明確なビジョンがあったからではないだろ
うか。


"気づき"を得るためには、殻を破るまで考え続けなければならな
い。しかし、いくら考えろといっても、何を考えていいのかがわ
からなければそれは非常に困難になる。それが、ある意味経営者
の仕事になってくるはずだ。モチベーションの高まるビジョンを
与えれば自ずと周りは考えてくれるようになる。逆にビジョンな
きところには考えることも生まれなければ、そのモチベーション
も生まれない。


成熟市場の中で価値を生み出し続ける花王のすごさを垣間見た。