辞表を書く。

30代前半になって気付くだろうことは、「会社という存在の
大きさ」だという。(「経営戦略を問い直す」三品和広)

あるとき、自分がいなくても会社や組織は回っていくことに
気付き、そして、もう一方で会社なしでは食べていけない自
分に気付いていく。

以前、とある先輩に「これができなかったら会社をやめます
か?」と尋ねたとき、絶句してました。
たぶん、その時点までそんなことを考えたことがなかったん
だと思います。そして、そのとき初めて、会社の存在の大き
さを実感したんでしょう。あのときの絶句した顔はそれを物
語っていた。
結局、その先輩はなんだかんだと言い訳を述べていましたが

でも、本当にそれを実感するのは恐ろしく怖いと思う。だか
らみんな気付かないふりをして、資格の勉強をしたり趣味に
走ったりという逃避を行ったり、または不平不満を日常的に
いうようになったりするんだろう。

20代でこういう感覚を持たないのは、目の前の仕事に精一杯
でここまで考えることができないからだろう。入社したとき
に描いていた30年後の自分の姿は、研修が終わるころには、
1年後の自分しか見えなくなり、業務に入ると、1週間後しか
見えなくなり、そして仕事に慣れてくると、次の日しか見え
なくなってしまう。

要は目の前のことしか見えないから、そのときの感覚は、「
自分がいなくなったらこの仕事をやる人がいなくなる。大変
だぁ。」というものになるんだろうな。

目の前の仕事に集中することは非常に重要、でも、仮にこう
なったら、という視点で自分の将来を見つめ続けることもき
っと重要なはずだ。

この感覚に対する自分なりの答えは...
『会社をやめる準備を常にしておく』ということだと思う。
たぶん、常に辞表を持っていて、やめるつもりでいたら、き
っと会社の存在の大きさは多少小さくなると思う。
でも、それでも会社の存在というのは大きすぎるものだ。
エセ辞表ではなく、いつでも出せる覚悟の文字が入った辞表
を持っていないとおそらくその強大な存在には立ち向かえな
いだろうな。

## というわけで辞表を書こうっと。
## 辞表の書き方は...と。